2012年10・11月号



森へ行こう

そのときわたしは「森へ行く日※」
を読んでいた
すべてが終わったら森へ行こうと
考えながら


散歩道 バリ・ウブド


父は休みの日に、よくドライブに私
を連れだした。
行き先は奥多摩。
都心から出かけると結構距離がある。
酔い止め薬で眠ってしまっても
河原に降りて風に当たれば
さっきまでの気持ち悪さも吹き飛び、
たちまち跳ね回る。
散歩も好きだった。どこかでかなら
ずひと休みする。
そんな時はたいていコーヒー牛乳を
飲ませてもらった。
神奈川県に住んでいたころはよく
丹沢山に出かけた。
歩くと気持ちいいなぁ、それぐらい
しか父は話さなかった。


転校した山のふもとの小学校では、
遠足というと山登り。
ぽつぽつと歩いて小さな頂にたど
りつけば、眼下に私たちの町が見
えた。学校から帰るとすぐ体操着
袋にハンカチとちり紙を入れて
近所の川まで探索に出かけた。
帰り道、子猫がずっと後をついて
きたので「飼いたい」と頼んだけ
れど、やっぱりダメと言われ、し
かたなく河原へ返しにいった。
 
私にとって森は夢の発見場所だ
った。木もれ日の中を歩くこと、
花の絵を描くこと、猫を飼う
こと。

※「森へ行く日」光野 桃著


文中にあるように私も
「すべての人に森が必要」だと
思っています。
森(あるいは自然)の中で大きく
ひと呼吸すれば、たちまち体中
がすがすがしい空気に満たされ
ます。
疲れていたり、ふさぎこんでい
るなら森へ行きましょう。
小一時間も歩けば気持ちも足ど
りも軽くなっています。
 
最近の大きな災害で多くの人た
ちが森はおろか住まいさえ奪わ
れてしまっています。
一日もはやく穏やかな暮らしを
取り戻せるよう、原発よりもみ
んなの森を増やしてほしいと
切に願っています。





おいしいオイル いいオイル



おいしいオイルはカラダにもいい
オイルです。
カロリーを気にしすぎるより、適
量のいいオイルを使ってバランス
のとれた食事をしましょう。
ここで言ういいオイルとは昔なが
らの製法で作られているものをさ
します。ごま油なら玉締め絞りと
か、薬剤や熱を加えず、果汁を絞
ってできるオリーブオイルなどで
す。バージンオイルは少し高価で
すが大根の千切りにしょうゆとと
もにかけただけで酒の肴になりま
す。なぜかしょうゆとオリーブオ
イルは相性がいい。
わさびともあうので刺身用の魚を
しょうゆ、オイルとあえて和風カ
ルパッチョに。
バターの代わりにパンに浸して食
べるのも好きです。
フライや炒め物など加熱するとき
はピュアオイルを使います。
EXバージンオイルは高温で加熱
すると香りが飛ぶからです。
お菓子作りなど利用範囲が広いの
は菜種油かもしれません。
今はいいオイルが手軽に買えます
から、家族の人数と好みに合わせ
ていろいろな料理にためして使っ
てください。


青菜のオイル蒸し

材料
小松菜=1わ
にんにく=ひとかけ
塩=小さじ1/2杯
オリーブオイル=大さじ3〜5杯

作り方
1.小松菜は洗ってよく水気をとり、
4等分くらいの長さに切っておく。

2.厚手のナベに1の小松菜とみじ
ん切りのにんにくとを混ぜいれ
上から塩をぱらぱらと振り、オ
リーブオイルを回しかける。

3.ナベのふたをしてから点火し
強めの中火で2〜3分蒸したら
できあがり。



使いきれなかったハーブや
ニンニク、スパイスなどを漬
けたオイルもおいしい







〈その13・イタリア前編〉

2002年秋、イタリア北西部ジ
ェノバ近くのチンク・エッテーレ
とポルトヴェーネレという港町を
訪ねた。永沢まこと氏(私の絵の
師匠)と行くスケッチ旅行である。
前回の中国では「描かねばならぬ」
という強迫(?)観念が邪魔をして
あまり旅そのものを楽しめなかっ
たから、リベンジのつもりで参加
した。
なんたってイタリアである。
「食べなくっちゃ。」
機中の事前学習のおかげもありこ
の地方の秋の食材を堪能できたと
思う。


リオマッジューレの坂道


ホテルの朝食にでたりんご
とクラッカーをリュックに忍ばせ、
スケッチに疲れたら石垣の上でか
じる。あるいはピッツエリアで出
来立てのフォカッチャを「ウノ
(ひとつ)」買い、バールでカフェ
アメリカーノとともにほおばりな
がらカラフルな家並みのスケッチ
を仲間と見せ合う。
また評判のシーフドレストランに
も繰り出した。
腹ごしらえが終わればまたそれぞ
れが、好みのスポットへと散って
いく。
おみやげを物色しているとおいし
いジェノベーゼペストの店がある
との情報が伝わってきた。けれど
その食料品店のシエスタ=昼休み
が長いったらない。
期待が最高潮になったころ、ボン
ジョ〜ルノ!入店。
はたしてそのペストは…、
さらさらのヴィヴィッドグリーン
のソースだった。
端正な顔立ちの店主が手のひらほ
どのフォカッチャにたっぷりのせ
て手渡してくれた。
試食させてもらうと、「う〜ん、
うまいっ。ボーノ、ボーノ」フレ
ッシュな香りで軽い味わい。
バジルとオリーブオイルとパルミ
ジャーノチーズの3つしか使って
ないと言う。(食べきるまでの間、
いろいろ説明してくれた)自分へ
のおみやげにと2ビン購入…した
のだが、そもそも会話が成立して
いたのかどうか。
おいしいものを介せば人は通じ合
うということ?
そういうことにしておこう。



  

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