2018年4・5月号

 
   





近ごろ靴を新調しました。
旅先の、とある雑貨店にて一目惚れしたの
です。足を入れてみると吸い込まれるよう
にフィットしてすでに履きなれた靴のよう
でした。



いつも靴選びに悩んでいる私にとって
それは奇跡に近いことです。
「厚手のソックスをはくなら…」との
店員さんのアドバイスで少し大きめのを買
いました。
「雨にぬれたら中敷をはずして乾かして
ください。」
「少しなら走ることだってできますよ。」
履きやすさの秘密は中敷=インソールに
あり、2週間を過ぎる頃から自分の足の形
になってくるのだそう。

ならばすぐに履きはじめて早くなじませよう
とさっそく街歩きに出かけました。
フカフカのインソールは草地を踏みしめて
いるみたい。一日中歩き回っても少しも疲
れを覚えませんでした。


   
       


その後、お手入れ方法を検索していると
「靴を育てる」という一文に行き当たりま
した。


経年変化をどう楽しんでいくか、ピカピカに
保ちたいならシューキーパーを使ったり、
艶出しクリームをすり込む。
かかとのある靴は必ず靴ベラを使う。

ナチュラルな変化を楽しむなら、
ふだんは栄養クリームをぬるだけの簡単
な手入れで、年一回集中ケアをする、
などなど。
 
靴の状態を見ながら、手入れをしてカスタ
マイズしていくことを「育てる」と表現して、
シワも自分の分身と思って慈しんでいるの
です。






人生後半を過ぎた私は、この「靴を育てる」
という新しいとらえ方に、いたく感じ入っ
てしまいました。




靴を慈しんで育てる。
生身の自分をそんなふうに思ったことがあ
ったか? 
いや、今までずいぶんと雑に扱ってきた。
 
時にはなりふり構わず、がむしゃらになる
こともある。
しかし長期間そういう状態のままでは健康
が保てないし、人に対してもやさしい気持
ちになれない、とそう気づきました。 




これからは自分を靴と同じくらいていねい
に扱っていこうと思うのです。

ということで、ささやかながら実行している
ことは寒風と乾燥で荒れた顔や首筋の
シワに保湿クリームをたっぷりとしみこ
ませる。





お風呂上がりには、少量のワセリンを踵
や足にすり込む。

シャンプー後のまだ湿りけが残る髪にも
これをなでつけると頭の爆発を押さえられ
ます。



ハーブ入りワセリン


また、花粉が多い時期の外出前に目頭や
鼻の周り(中にも!)にうすくぬっておくとか
ゆみやくしゃみが抑えられるみたいです。
(ただし穴の中に厚ぬりするとお水が直行
で落ちてきますのでご注意ください。)


がんばったあとは、おいしいお茶を飲んで、
いい音楽を聴き、心も休ませる。
お気に入りの靴を履いて散歩に出かける。
あれやこれやと試し、健やかな状態にして
いくのは自分自身を育てるということなの
かもしれません。


  

佐渡情報

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