2014年10・11月号


育てる人を、育てたい。
社会福祉法人勇樹会 村田 圭さん




ずっと学校にいたい!


小学校中学年までは勉強が大嫌いで、
本当に駄目な子でしたが、中学校では
生徒会活動や仲間と語り合うことが楽しくて
楽しくて、ずっと学校にいたいと思うほどでした。
大人になっても学校にいるためには、学校の
先生になりたいと思うようになりました。
高校では勉強がきついこともあり、つまらない
日々だったんですけど、二年生の時にたまたま
生徒会室に入り浸るようになってからは結構
楽しい高校生活でした。
ほんとに勉強しなかったで、担任の先生に
「あなたは一浪しても大学に行けないわよ」
って言われる程でした(笑)。


学校の先生に

小学校の先生になってしばらくして、すぐに
カッとなっちゃう子に出会ったんです。
どうしたらいいのか悩んでいたら、前の担任が
残した資料に、「ADHD?」と小さく書いてあった
んです。聞いたことのない言葉だったので
調べたら注意欠如/多動性障害だと分かり、
こんな障害もあるんだ、こういう子もいるんだ
とその世界に引き込まれていきました。
対応や援助方法を色んな本で勉強して、
試しても上手く行ったり行かなかったり
なんですけど、今まで通り一遍の教え方よりも、
子供に合わせてどのように教えていくかを考える
方がやりがいもあり、面白いと思ったんです。





ぴよの会との出会い

自ら希望して、当時の佐渡養護学校に
転勤しました。
養護学校には七年間勤め、その間に色々な
研修を受けさせてもらいました。
四年目ぐらいから相談員として島内を回り始め、
それが凄く楽しかったんですね。
そしてその頃、障害児を受け持っている保育士
さん達による「ぴよの会」という研修会に
誘われました。
私は元々小学校の先生ですから、それより年下
の子供達のことは知らない。
質問されてもひやひやですよ。
でも頭の中の引き出しから何とか答えを出して
提案すると、保育士さんは皆「やってみます」
と言う。そして、やってみたらできました。
と言う声が出てくるんですよ。
私が良いと思ったことを試してもらい、それが
上手くいったらその先生も私も嬉しい。
この喜びが私にとっては物凄く快感だったので、
これを本職にしたいと思いました。
それで、上越教育大学に二年間、勉強に行か
せてもらいました。


佐渡保育専門学校の講師に

佐渡に戻り、小学校の特別支援学級の担任を
今年辞めるまで三年間努めましたが葛藤も
ありました。私が先生をサポートし、先生が
子どもに教えて成果を出すという仕事がしたくて
勉強してきたのに、それがほとんどできなかった
んです。学校の授業がメインなので、校外から
依頼があっても夏休みくらいしか出掛けられない。
そんな籠の鳥状態が続いていた時、ぴよの会を
何年も一緒にやってきた方に、佐渡で保育の
専門学校を作る話があるが、そこの先生になる
気はあるかと聞かれたんです。
保育士さんを育てる=自分が大人を教えて、
その人が子どもを教えるという私の理想の仕事
ができるわけです。
二つ返事で講師をお引き受けしました。


子育てのしやすい島に

佐渡の子どもの数は減っています。
現在高校三年生がおそらく五百人位いると
思いますが、去年の新生児は三百人しかい
ませんでした。
私は佐渡を、何とかしたいなと思うんですよ。
例えば自然とかスローライフとか、佐渡の
良い所は色々あります。
「ここで子供を育てたら、いじめや不登校がなく、
勉強勉強と言われずにのんびり育っていく
んじゃないかな」と、若い方々に思ってもらえる
ような島に私はしたいと思っています。
これは、私が手を繋いでる保育士さん達、
あるいは病院の先生など、子ども達にかかわって
いる方々の思いもあります。
佐渡保育専門学校は来年四月に開校する
予定です。私は人に何かを教えることしか
能がありません。この専門学校で心と腕のある
保育士さんを育て、佐渡の保育はいいね、
佐渡で子育てしたいねと言ってもらえる島に
したいのです。



佐渡保育専門学校
2015年4月開校に向け認可申請予定

お問い合わせ:090-1370-5817(村田)
教育・保育・子育て相談も受け付けています。




  

佐渡情報

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