2014年4・5月号


地域の図書館をよくする会

田中藍さん

ただ反対するだけじゃなくて、
楽しくて建設的な提案を。
今はとにかく佐渡の図書館を盛り
上げたい。




図書館(室)の縮小計画


詩人の谷川俊太郎さんの朗読会をメイン
にした本のイベント・ブックフェスティバルを
開催しようと、一昨年の秋から準備を進めて
いました(2013年4月にふすべ村で開催)。
そんな中、佐渡の図書館(室)の縮小計画が
発表されて、えーっ!と思った。
図書館(室)の縮小計画は地域の図書館(室)
を役場の中に入れてしまう計画です。
これは本棚化や今より悪くする方向なんです。
私が住んでいる羽茂の図書室は、子供と
通ってもう何年にもなるんですけど、凄く
活気があって盛り上がっているんですよ。
学校の教室ぐらいのスペースに、夕方に
なると人が溢れる。
羽茂は図書室の利用率が高く、年間
貸し出し冊数が一万七千冊を超えています。
(羽茂地区の人口は3,831人
※平成22年国勢調査)
予約の本が溢れていて、床まで所狭しと
並んでる。そこにいる職員さんが、
子供達の好みをわかっていて声掛けも
上手いので、人が集まるオアシスみたいに
なってます。
予算がないので新刊は入ってこないから、
他の図書館にある新刊絵本を表紙だけ
コピーして貼って文字が読めない子供でも
指をさせば予約できるようにしたり、
ジャンル別にファイルを作って他の図書館に
ある本を予約できるようにしたり、職員さんが
物凄く工夫している。
それなのに、縮小して役場に入れるとか、
専任職員を切って地区教育係りに兼務させる
計画だと聞いて、こんなにあったかい人間味
溢れる図書室が身近になくなったら終わりだ!
と思って。この近くに代わりになる場所なんて
ないです!


運動は手探りで

図書館縮小計画の見直しを求める署名活動を
しよう!ということになり、そのために会を
立ち上げました。
素人が集まって、とにかくどうにかしなくちゃって
いう気持ちです。
うちの子達も図書館が大好きで、テレビよりも
絵本を見ちゃう。
今運動しているのは子供達のためですね。
それで、ブックイベントと署名活動等の図書館
運動を平行して続けています。
五千人以上の署名を集めて市に提出したん
ですけど、それだけではなく、佐渡にある十の
図書館(室)を巡るスタンプラリーや、子供司書
講座、絵本作家さんを招いた図書まつり等の
イベントを開催し、それを通じて図書館の
問題をアピールしました。



真野中学校の授業に呼ばれたので、2018年
頃までには真野図書館を役場に入れて
縮小する計画になっている話もしてきました。
その後とにかく真野図書館がなくならない
ように、皆で声掛けして実際に行くようになって
きていると聞きました。
ますは地道に利用者を増やす活動をしたいと
思っています。


本の中に迷い込むイベント

今年6月に2回目の大きなブックフェスティバル
を予定していて、再び谷川俊太郎さんを
ゲストにお招きします。
今回は「本の中にまよいこむ」というテーマで、
使われなくなった小学校を会場に、学校
全体を一冊の本に見立て、作家さんの部屋や
出版社の部屋を作って、まるで本の中に入った
ような感じにしようと思っています。
作家さんや編集者、デザイナーなど本の作り
手に実際出会うことが出来て、本がどのように
して作られるのかを知ってもらいたい、もっと
本を身近に感じてもらえるようなイベントを
考えています。
このイベントがきっかけで、本と仲良くなって
もらえたら、図書館に行って色んな本を読み
たくなると思うし、絶対に図書館利用にも
繋がると思うんですよね。


図書館をコミニティの核に


図書館に関する運動はまだまだ続くと思い
ます。とにかく図書館(室)が各地に残って
ほしいし、縮小させるんじゃなくて発展させて
ほしいということを、行政側にどんどん言って
いかなきゃ!という感じですね。
羽茂図書室のような小さな図書室の成功例を
参考に無人の図書室にも人を配置すれば、
大いに発展できると思います。
そういう計画にすべきだと思うんです。
勿論、行政に協力できるところは協力して、
みんなで図書館活動をもっと活発にできたら
良いなぁと。
各地域に図書館(室)が残っていれば、お金を
かけなくてもみんなの力でさらに発展させる
こともできるだろうし、図書館がコミュニティの
核みたいになると思います。
やれ反対、やれ無くすな、と叫ぶだけでは
建設的ではないので、ブックフェスティバル等
のイベントで「本の世界は面白い」ということを
もっと提案し、皆一緒に楽しみながら図書館を
活かせるようにしたいです。




Hello!Books実行委員会
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