げんまる つれづれ 綴り



澄みわたる空に、
秋を感じるようになった。
秋は夕焼け、がいい。
秋の空は、空気が澄み、夕焼けが美しくなる。
爽やかな秋風に吹かれながら、夕焼けに
赤く染まった空や雲を眺めていると、
穏やかな気持ちになる。反面、その鮮やかな
色彩とは裏腹に、儚さも感じる。
特に秋は釣瓶落としの如く、あっという間。
夕焼けが感傷的な気持ちにもさせるのは
きっとそのせいなのだろう。
それでも、一日の終わりに美しい夕焼けが
見られた時は、自然の神秘の力を感じずには
いられない。

時に美しい景色は、明日への希望や
活力となる。とりわけ秋は、そんな風景を
求めて散策に出かけたくなるものである。

佐渡で秋の夕焼けを見に出かけるなら、相川。
高台にある時の鐘あたりが、近頃気になる。
目の前には、日本海が広がり眺めが最高だし、
空と海が夕焼けに染まり小焼けになる頃、
江戸時代半ばから約二○○年間に渡り、
時を刻み続けた鐘の音が聴けるかも??
と、勝手なイメージをしている(笑)。
ただし、これは運が良ければ、の話。
…夕焼け時に鐘が鳴ったら、それこそ童謡・
夕焼け小焼けの世界。夕焼け小焼けは、遠い
昔の日本の懐かしい原風景を、思い起こさせて
くれる郷愁誘う歌。夕焼けは一定の気象条件下
であれば現れるが、そのタイミングで鐘が鳴る
など、今時そんな贅沢な夕焼けに出会うこと
なんて滅多にないことだから。…
ちなみに時の鐘とは俗称で、佐渡奉行所から
京町へ向かう坂の途上、旧相川裁判所の南西に
建てられた時鐘楼のこと。(旧相川裁判所は
現在版画村美術館となっている)
とても存在感のあるこの鐘楼は一八六〇年に
改築されたもので一五〇年近く昔のものだ。
鐘楼の中には大きな鐘があるが、一七一三年に
佐渡で採掘された銅で鋳造され、以来明治の頃
まで町の時計の役割を果たしていた。
その後しばらく鳴らされることがなかったが、
近年、地元の協力により復活。朝と夕の二回、
時を越え、今また時を刻んでいる。


待ちきれないでそこらまで夕焼ける空
また一日がをはるとしてすこし夕焼けて
あすはよいたよりがあらう夕焼ける  
               種田山頭火

よい秋をお過ごしください♪
御機嫌よう〜



佐渡情報

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