げんまる つれづれ 綴り


連綿と続く青々とした田んぼに、
いい季節がやってきた。
梅雨の風にのって聞こえる鳴き声。
夜毎賑やかになってくる混声コーラス。
そう、蛙の季節、だ。
蛙は日本に欠かせない風物詩。
梅雨の時季に入ると、とたんにその行動は
活発になる。畦道を歩けば、昼間でも蛙の
鳴き声が聞こえてくる。そんな中、足音に
驚き田んぼに飛び込みプカリと浮かぶ蛙の
姿はなんとも滑稽で微笑ましい。そうかと
思えば足音になど動じず近寄っても全く
動かないのもいる。その顔は凛々しくもあり、
何も考えずただ時間が過ぎるのを楽しんで
いる様にもみえる。蛙の日常を覗いてみると、
日々の生活で忘れていた大切なことを
思い出す。あくせくせずに、のんびりと〜。
自然の流れに身をまかせるのも時には必要さ、
と語りかけてくる。
身近な田んぼの自然の営み。それは心に余裕
がなくなりそうな時の一番のサプリメント、
つくづくそう思う。
とはいえ蛙って・・・、
あの容姿や鳴き声が好きという人もいれば、
嫌いという人もいて本当に様々である。
嫌いな人にはとことん毛嫌いされる蛙では
あるが、昔から幸運の象徴とされてきた。
蛙の発音が、「迎える」「帰る」「変える」
「返る」に通じ、人を迎える(千客万来・
商売繁盛)、無事帰る、お金が返る、災いを
変える、若返る・・・等の意味で、幸運の
象徴とされている。海外でも、蛙は一度に
沢山の卵を産むことから子宝・豊穣・成功運
のシンボルとされ、また、雨をもたらす神様
の使いとして雨乞いの象徴ともされている。
いや〜まさに蛙さま様!だ。
そういや、一昨年、佐渡で新種の蛙が
見つかった。目の後ろに黒い模様がなく、
背中に小さなイボがあって、腹はなんと黄色。
名づけた名前はそのまんまの「サドガエル」。
サドガエルの顔は超キュート。指に水かきと
吸盤が無く、鳴き声はギューンギューン。
かなり渋い鳴き声だという。この蛙、昔から
その存在をみんな知っていたのに、ようやく
ここにきて新種と判明したあたりが妙に佐渡
っぽいし、腹が黄色だっていうのがさらに
佐渡っぽくて笑える。
金(=黄)の腹抱えた幸運のサドガエル♪
いっぺん拝みてぇもんだっちゃ。
じき梅雨がやってくる。



佐渡情報

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