2015年4・5月号


























げんまる つれづれ 綴り


暑さ寒さも彼岸まで。
いよいよ本格的な春の到来である。
田畑にでて農作業に勤しむ人の
姿も目にするようになってきた。
農耕民族、始動!
農家の忙しい日々が始まる。

今さらの話で恐縮だが、昔と今では、
農作業の風景は大きく変わった。
ほぼ機械化になり、家族・親戚まで呼んでの
農作業は、今や、ほとんど見かけない。
人力ですることが本当になくなった。

なんだかなぁ…。
早春の頃、田んぼに出て、鍬で田起こしをし、
スコップで畦きりをし、畦塗りをする。
その後水入れをし、人力で代掻きをし、
苗代を水田に作り、種まきをする光景が
記憶にあるせいか、今の機械化された
農作業は寒々しいくらい殺風景に見える。
心の原風景を失くしたようで妙に寂しい。
とはいえ、農家のこれまでの重労働を
考えたら…「寝言は寝て言え!」と
お叱りをうけそうなのだが(笑)。

機械化されて農作業は格段に楽になった。
なのに、農業離れは止まらない。
就労者の多くが高齢化したからだ。
さらに後継者がいればまだしも、いないと
なれば担い手を探してお願いするか、やめる
よりほかない。
どんなに機械が素晴らしく、効率が
よくなっても、結局、人がいなえれば、
どうしようもない。存続できない。

人がいないことでいえば、
極めつけ最近、こんなことを耳にした。
「ここ限界集落なんだとサ。」と。
もちろん、島内である。何年か前、某芸能人
の御子息が来島し、若者を定住させ限界集落
の解消を目指す番組があったが、その時は
他人事のような気持ちで拝見していた。が、
ついに身近でもそんな話が出るようになって
くると、さすがに聞き流すわけにいかない。

こりゃ、佐渡もホントに本気で変わらんと
だちかんワ。
トキを増やすことも大事かしらんけど、
人を定住させる事も本気でやらんとダメかも。
これまでと同じような考え方では島の発展は
閉ざされる。

島の宝はなにもトキや自然・歴史遺産に
限らない。それらと共に島で暮らす「人」も
宝だということを忘れてはいかんノ。



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