2018年6・7月号


佐渡の海を愛し守る! 


佐渡海上保安署
署長 本間恵司さん
(左)
署員
島田裕司さん
(右)





海上保安署とは


まずは海上保安庁の任務ですが、
治安の確保、領海警備、海難救助、
海上環境、災害対策、海洋調査、
海上交通の安全など、海上での
出来事全てといえます。
その中で佐渡海上保安署の主な
任務は、領海警備と海難救助です。

この保安署は海上保安庁設立とほぼ
同時に発足しましたから、今年で丁度
70年目になります。
管轄は佐渡島の沿岸10kmぐらいの範囲
で、海岸線としては約250kmに及びます。
管轄内は「巡視艇ときくさ(25t)」を使いま
すが、その外側を新潟海上保安部の大
型船や航空機が常に哨戒しています。

勤務時間は陸上ですと8時30分から17時
15分。海上ですと早出と遅出があって夜
は10時まで。
それ以降は呼び出しということになります。
定員は署長以下14人で、正直なところ人
手不足です。
昨年の木造船漂着の時は1ヶ月近く休み
無しでした。
保安署はだいたいどこもこのような規模
に規模になっていて、当然一人一人の責
任は重くなりますね。

女性の職員は今のところおりません。
これまでは男性だけでしたので、そもそも
女性用の更衣室やトイレといった設備が
なくて。
新しい庁舎は全て整っているので、女性
職員も受け入れられるようになります。



人目には触れぬが


海には縁がなかったのですが、十九歳の
時に巡視船の体験航海に参加し、船上
での職員の姿を見て凄いなと思ったのが
きっかけです。
最初の頃は船酔いで辛い思いをしました
が、今ではどんなことでもやり遂げた時に
充実感があります。
特に救助活動で、たとえご遺体であっても
ご家族の元に送り届けられた時は、この
仕事をやっていて良かったなと思います。
(島田さん)

何でも良いから船に乗りたかった(笑)。
ちなみに祖父も船乗りで海の上で亡
くなっています。
辛いのはどんな大シケの時でも出なくて
はならないことでしょうか。
それでも無事に救助できた時は、私もこ
の仕事で本当に良かったなと思います。
活動の場が海上なので、誰の目にも触
れられないのがちょっと寂しいですが(笑)。
(本間さん)






佐渡ならではの活動


佐渡ならではというと、夜間にドクターヘリ
が出られない時に、新潟から海保のヘリコ
プターを呼んで急患搬送したことや、大シケ
で佐渡汽船が欠航した時に、巡視船で血
液製剤を搬送したことでしょうか。
昔、大学入試の共通一次試験のころの話
ですが、巡視船に受験生を乗せて新潟ま
で送った事もありましたね。
ひどく船酔いしてふらふらだったみたいで
すが、受験には間に合ったようです(笑)。






海難防止


佐渡は漁船の、特に高齢の猟師さんの
海難事故が多いですね。
新潟の沿岸ですと夏場のレジャーの事故
が多いのですが、佐渡は新潟に比べると
かなり少ないですね。

海難防止については機会があるごとに、
あちこちで講習や指導を行っています。

昔に比べて事故は減っていますが、とにか
く船に乗る時は救命胴衣(ライフジャケット)
を着けて下さい。
浮いてさえいてくれれば、私たちが必ず発
見して救助します。
また、体調の優れない時には決して無理
をせず、水泳やダイビングをしない事が
最良の予防になります。
沖に向かって流れる「離岸流」にも十分
に気を付けるようにしてください。

最後に、先日安全を願うメッセージを募
集しましたが、最優秀賞と優秀賞に佐渡
の小学生の作品が選ばれたのでご紹介
します。

最優秀賞
じいじい、じこにあわないでね!
ライフジャケットを しっかりきてね!

優秀賞
おじいさん、おばあさん
およげないときもあるんだから
ライフジャケットきてね




佐渡海上保安署
新潟県佐渡市両津夷384-1
0259-27-0118

海の「もしも」は118番

海上保安庁HP
http://www.kaiho.mlit.go.jp/



  

佐渡情報

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