2019年2・3月号



「Silt」オーナー
ガーデナー 


椎名 智代さん





生まれ故郷は滝が有名


茨城県の有名な滝がある袋田で生まれ、高校
を出るまでいました。
水戸の高校に通い、神奈川の大学で文化人類
学を専攻して宗教や民俗学、ホームレスの住
居空間の研究とかもしました(笑)。
ラクロス部にいてあまり勉強はしていませんで
したが、学生生活はとても楽しかったです。



六本木から土に近い方へ


卒業して六本木のレストランでフロアスタッフと
して働きました。
お酒にも興味があってソムリエの資格も取った
のですか、段々お酒を作っている人、それから
もっと土に近い方、例えばワインのぶどうの木
はどう育つとか、といったことに興味が湧いて
きて、植物全般のことを学ぼうと、イギリスの
園芸学校に入ろうと考えました。
2011年8月に、ロンドンから電車で40分ほどの
街の学校に入りました。
学校では、基礎的な植物の生態学や土のこと
や植物の手入れなどを学び、園芸国家資格を
取りました。



二足のワラジ


帰国して東京の、今度は別のレストランに勤め
ました。
引き続き園芸の勉強もしたいなと、ガーデンデ
ザインの会社でデザインアシスタントとして、二
足の草鞋みたいな感じで3年ほど働いていまし
た。この会社では庭のメンテナンスで現場に出
たり、コンピューターで図面を起こしたり、ショ
ップでの小売もしたりと大変でしたけれど、沢
山の仕事をさせてもらい、日本の園芸市場も
学ぶことができました。
この会社で働いて、ガーデナーとしての自分の
基礎ができた感じがしました。




イギリスで肉体労働者



2015年にまたイギリスに行きたくなり、仕事を
辞めてロンドンに2年間行きました。
ちょうど30歳で、ワーキングホリデーのビザ申
請が30歳までなので今が最後のチャンスと思
いました。
ラッキーなことに抽選に当たって(注1)、2016年
の1月にロンドンに行きました。
最初はワインバーで働き、3月に造園会社の契
約ガーデナーになりました。
そこではメンテナンスガーデナーとして2〜3人
でチームを組み、個人宅や公共施設の庭の剪
定や芝刈り、肥料を蒔いたり植え込みなど、肉
体労働だったので仕事はきつかったです。
1年間その会社にいて、帰国直前は園芸学校
の同級生の、観葉植物を扱うお店を手伝った
りしました。







佐渡でガーデニングを



2018年の1月に帰国して自分の拠点を持ちたい
と思い、まずは場所を決めようと、リュックひと
つ背負って北は仙台から南は広島まで転々と
旅をしました。
気に入った場所があって、決めかけていたので
すが、
日本の地方都市の景観に飽きていた私に佐渡
はとても美しく映り、今一緒にやっているパート
ナーが佐渡に戻っていたので来てみました。
地元の人が優しくて親切で色々なことが回り始
め、真野新町に引っ越してきました。
ここの商店街の抜けるようなスケールの広い道
や、柳の木が並ぶ姿がとても気に入っています。
また、佐渡に生息する植物は北海道に次いで
多いと知り、こんな恵まれた環境でガーデニン
グしてみたい!と思いました。







お店は夢のひとつ



今住んでいる家は地元の人が提供して下さっ
て、ここを店舗にしようと改装工事を始めまし
た(注2)。
植物やガーデニング用品を扱いますが、それ
だけではなくワインや洋酒も売って、植物とお
酒をひとつの空間に入れちゃおうかと(笑)。
Siltをオープンさせることは自分のやりたいこ
とのひとつ、夢のひとつで、この場所でやりた
いことがたくさんあります。
これからどう発展していくかは未知数です。
色々な仲間が集まり、思ってもいない方向に
進んだり。可能性が広がることを楽しみにして
います。友達の家のような感じで来てくだされ
ば嬉しいです。



(注1)イギリスのワーキングホリデービザは定
   員制のため抽選となる。

(注2)2018年12月取材。







*お問い合わせ*

Silt(シルト)

925-1325
新潟県佐渡市真野新町287-2
070-4545-4148


  

佐渡情報

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