2020年12・1月号



cafeガシマシネマ
堀田 弥生さん







深呼吸


福島県会津若松市の出身です。
高校まで地元で、大学は新潟大学に入りました。

入学した年に確か学部で初めて「映画ゼミ」が開講され、
これは面白そう!と、応募者多数の中をジャンケンで勝
ってめでたく入りました(笑)。

最初の授業で観たのがフランスヌーベルバーグを代表
する『勝手にしやがれ』や『突然炎のごとく』で、何て
素敵で格好良いんだろうと思いました。
こういう映画を観たいのならシネ・ウインド
(新潟市内のミニシアター)に行きなさいと先生勧められ
『さらばわが愛』を観に行き、丁度アルバイトの案内があ
ったので35mmフィルム映写のアルバイトを始めました。

映画そのものよりも、そこで働く人達や来訪する映画人
と接するのが楽しくて居心地が良く、やっと、深呼吸が
できたという気がしました。
皆さん個性的というか強烈な人ばかりで、四年間どっぷ
りとシネ・ウインドで遊びました(笑)。



東京進出


シネ・ウィンドではアルバイトどころか映画祭のスタッフ
にもなり、大学の卒論とも相まって目前のことで手一杯
の毎日。
いわゆる就職活動もせずに卒業しましたが、ウインドで
知り合った映画人の知己を頼りに、東京の宣伝会社で
働きました。
しかし訳あって三ヶ月ほどで退社。
内心、映画の製作現場に憧れて上京したのですが縁が
なく、様々な仕事を渡り歩きながら辿り着いたのが映画
館でした。
東中野の某ミニシアターですが一年ほどで閉館、そして
新たに開館という稀有な業務に社員として携わりました。

この間、結婚と出産という、これまた人生の一大イベント
も経験し、二人目の子の出産を機に佐渡に移住しました。
時代は急速にSNSが普及し始めた頃で、今思えば多す
ぎる情報量と人から逃れて引きこもりたくなったのでしょ
うね(笑)。

住まいを構えた相川で、京町通りの「のらいぬカフェ」の
店主と親しくなって映画の話で盛り上がり、カフェが函館
に移ったのでここで映画館を始めようと2017年にオープン
しました。






ガシマシネマの作り方


映画館というのはとりあえずスクリーンと暗闇さえあれば
成り立つと考えています。
今はフィルムからデジタルシネマパッケージという方式に
なり、以前に比べて大変容易に上映できるようになりま
した。

スクリーンは百インチで収容人数は最大25人ほど。
入れ替え制で一日二回上映しています。
目標は月平均で300人7ですが、今はコロナの影響で
200人を切る月が多いですね。

上映作品は自分で選んでいます。
まずは、お客様が喜んでくれそうな話題作や、世界で
評判になった作品を選んで配給会社にお願いしたりし
ています。
まあ、断られることが多いですが(笑)。
それでもカンヌ映画祭最高賞の『万引き家族』、アカデ
ミー賞受賞作品『グリーンブック』、この九月には何と、
全国で盛り上がりを見せたスタジオジブリ作品のリバイ
バル上映が実現しました。

開館から三年経ち、徐々に取引先(配給会社)が増え
てきています。
良い作品を取り上げると同時に、月替りで二作品を
上映するその組み合わせも楽しみの一つです。



映画館の非日常性


あるお客様が「レンタルショップやネットで映画を探す
ほど好きではない。映画館で上映しているから観に行く」
とおっしゃっていて、これは心に響きましたね。
映画の存在というものを考えさせられます。
映画館の魅力は不特定多数の人がイメージを共有する
ことで日常から離れられることだと思います。
家で観るのは日常の延長で、やはり映画館の持つ非
日常性は大きいと思います。
そういう意味で「ここに来てリフレッシュできた」という
お客様の声が一番嬉しいですね。
普段の生活で窮屈な思いをしたらぜひガシマシネマ
に足を運んでください。







*cafeガシマシネマ
料金:大人 1,200円/高校生以下 600円
〒952-1522新潟県佐渡市相川上京町11
0259-67-7644

ホームページ
https://gashimacinema.info


  

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