2020年4・5月号




佐渡最北端の学校

内海府小学校校長 渡部 聖子さん

内海府中学校校長
 稲田 修さん








現状について


小学校は3年生2人、5年生4人、6年生1人の
計7人です。
教職員は6名で、3年生は担任1人が2人の子
どもを教え、5年生と6年生は複式学級として、
5人を1人の担任が受け持っています。
例えば国語ですと、一つの教室で前と後ろの
黒板を交互に使って教えていて、先生は教室
の中を行ったり来たり(笑)。
子どもたちは小さい時から少人数で育ち、小
学校に入っても複式で二つの学年が一緒に
勉強してきたので、年の差も意識せず、互い
のよさも課題も分り合っています。
大人よりもうまく付き合っています。
ただ切磋琢磨する機会が少なく、好みや気持
ちを共有できる友達を見付けるのが難しいの
で、活動の幅の広がりが少ないかもしれませ
んね。
中学校は男女2人で先生は4名です。
同学年が2人なので教科ごとに先生が入って
います。
ありがたいこと生徒は大変仲良く過ごしていて、
仲を取り持つような苦労はありません。
一方で小学校と同じように仲間同士の切磋琢
磨や労り合い、情報の交換や共有など生徒同
士のコミュニケーションが少なくなります。
また、人数が多ければ授業中でもぼんやりでき
るのに(笑)、いつも先生が目の前にいるので息
抜きができません。
思春期ということもあり、先生にはプラスアルファ
のスキルを求められていると思います。




魅力ある学校に


この学校は島内でも一番児童・生徒の数が少な
く、近いうちに小学生がいなくなる可能性もあり、
学校の維持・存続が切実な問題です。
今年度から佐渡市で新たに設けられて特認校制
度によって、保護者の希望と学校側の条件が合
致すれば島内のどこの学校へも行けるようにな
りました。
学校運営協議会という組織もでき、一緒になって
運営を進めています。
特認校制度とは大きな学校が人数を減らすため
のものでも、人数の少ない学校が人を呼び込む
ためのものでもなくなく、子どもにとっても外部の
人々に対しても魅力のある学校になるように、と
いうことなんです。
海府地区の魅力はたくさんありますが、行き着く
と「人」となる。
この魅力ある人とは「その人らしい見方と考え方
をもち、周りを幸せにする人」と教職員で話し合
って定義しました。
魅力溢れる学校にするためには、魅力ある人
に出会うことが大切だと考えます。
地元には素晴らしい人がたくさんいらして、近年
島外の大学生との交流もあり、そういう地域を
愛する人たちと共に体験活動を行いながら刺
激をもらう。
そういう学校にしましょうとなりました。








地域ぐるみの活動


この学校では年間を通じて様々な活動を行っ
ています。
子どもたちは活動を通じて誰かの役に立ちた
いという気持ちがあり、喜んでもらったり誉めら
れたりもするので前向きで一所懸命です。
中学校では30年ほど前から海府太鼓をやって
いるのですが、人数が少なくなってからは教員
も一緒に演奏していました。
しかし、生徒が2人では教員が入っても無理な
ので悩んでいたところ、地域の卒業生が11人
ほど参加してくれて、生徒も先輩が来てくれる
なら続けたいということになりました。
世代を超えた地域の力をこういう形で経験でき
たのは、とても象徴的な出来事だと思いました。
この地域に限らず、佐渡には人生の師匠のよ
うな方が沢山いらっしゃいます。
教育とは人から人ですから、まずそういう人と
触れ合っていろいろ感じてもらいたいです。




この魅力を伝えたい


明治9年創立(小学校)の伝統をもつこの学校の
魅力をどう伝えるか、難しいところですね。
報道関係に働きかけて記事にしてもらったり、
他校との交流を通して伝えたりしていますが、
まだまだ十分ではなく大きな課題です。
明るく綺麗な校舎や充実した設備も大きな魅力
ですので、見学希望の際は一報ください。









*内海府小学校・内海府中学校

〒952-3205
新潟県佐渡市鷲崎918番地
0259-26-2223(小・中学校共通)

☆6月に大野亀で開催される佐渡カンゾウ
祭りで太鼓の演奏を披露します。
また、児童・生徒の手作りグッズも販売
いたします。ぜひお越しください。




  

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