縁とは奇ナリ。
〜あいえんきえん〜




第二七話
《帰郷観音》の巻



真浦曽里地山(旧赤泊村)観音は、地元
だけではなく佐渡各地や島外からも参
拝者が訪れる、神聖でパワフルな場所。
毎年八月九日には【観音祭】として【大
般若】と呼ばれる祭事が執り行われま
す。僧侶七名のうち一名が読経を始め、
それに合わせて六名が経典を丁寧に
積み一巻一巻、それぞれの経典題目
を読み上げながら、扇に広げていく姿
は圧巻。お堂の空気が変わります。
今年も暑いさ中でしたが、お堂の中い
っぱいに参拝者が集まりその姿を見
守っていました。尊里地観音がどの時
代からあるのか詳しくは不明ですが、
例えば次ページ写真の通り江戸時代
の参拝印が残されている事から、それ
以前に興ったものと思われます。




来年にひかえているご本尊御開帳も、
盛大に執り行われる予定。







地元では【観音さん】と呼ばれ親しまれ
ている観音様。ご本尊は【梓(紫陽花)
の木】でできています。昔、柏崎から訳
あってこの地に来た子どもが、召使いと
して尊里地山で仕事をしていた。幼い子
が遠くに見える故郷の山に向かい両親
の事を想って毎日祈っているとどこから
ともなく翁が現れ、持っていた鎌を使い、
そこにあった紫陽花の木で小さな観音
像を彫った。
子と翁が揃って、信心深く手を合わせ
その目を開くと子は故郷に帰っていた。
という縁起が伝えられていることから
【帰郷観音】と呼ばれ、もともと佐渡の観
音信仰は厚く、特にご利益がある。と言
われる中、遠出の前や病気、子どもの
事などを強く思い、参拝する人が後を絶
たず、本堂の壁には沢山の願掛けの跡
が見られます。
来年八月九日は三十三年ぶりの御開帳。
本堂からの御柱も立つとのこと。
観音様との強いご縁を頂きたい方パワフ
ルなエネルギーを感じてみたい方、は是
非一度体験してみてください。






  


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