縁とは奇ナリ。
〜あいえんきえん〜




第二三話
《さげ紙・袴紙作り》の巻


新年と言えば、めでてぇもんばっか
り。門松やお飾りや…いろいろ。

そん中でも佐渡で伝統的なのが
下げ紙・袴紙。真っ白な和紙に切り抜
かれた縁起物の絵柄。朱の紙を重ね
ると、一層美しく映える。神棚から
下げたり、お勝手の守りとして壁に貼
ったり、お飾りの三宝から下げてみた
り、各家庭や地域によって使い方も
呼び方も変わる。新年の安全・健康
の祈願、農家は豊作を願い、商人は
安泰の祈りを込める。

今でこそ、お店で売っている
けれど昔はお家や地域で作ったもんだ。
という。こんな面白そうで縁起がいいも
ん、ほっとけん!作ってみてぇ!
…ということで体験してみました!
地元でウン十年続く【さげ紙作り講習会】。
参加して感動、感激!そして深い!
先生ともなると、紙の質感や厚み、色
(特に朱紙の色味)、ナイフの切れ味、
角度など、ベテラン参加の方々と情報
交換しながら作業を進める。
中でも興味深かったのが、【絵柄】と
【歴史】についてだった。



この【さげ紙・袴紙】、日本各地で
行われていた祭祀に由来するもの。
佐渡には金山の栄えた時代、北前船
によって伝来された。とする説が有力
のよう。小木〜前浜に、小木〜相川に
伝わったのではないか。との先生方の
お話にロマンを感じ、ついつい手を動か
すのを忘れるわたくし初心者…。
それから【絵柄】。最近になって字
を入れるようになったとか。作り手の
交流が盛んに行われ、一年かけて練っ
た図案をお互いに交換したり、もう
亡くなってしまった作り手さんの遺し
た図案の複製を作り、そこに時代にあ
った柄を付け加えたりしている。
 生きている文化ってこういうこと。
佐渡では盛んだけれど、日本でみる
と実は廃れてしまっていると言われる
【さげ紙・袴紙】文化。
物のなかった時代には新聞紙や板切れ
を敷き、両刃の安全カミソリでの製作
だったと聞き、こりゃ、帯締め直さ
んとだちかん!受け継ぐべき伝統文
化だ!と気合入りました☆




  

佐渡情報

2013 S*Life all right reserved.