「おまさ」の滝
(羽茂町羽茂本郷)


仮屋(かりや)は、むかし羽茂の殿様が本城を改築する時、仮の城があったので、この名があるといわれている。
この仮屋近くの羽茂川支流オダイラ川(また仮屋川)に「おまさ」の滝がという、小さい滝がある。
あるとき、この城へ越後からお客様がくることになり、殿様は唐土(とうど=中国のこと)から渡って来た大切な皿を使うことにした。そして、この城に長くつかえていた侍女の「おまさ」は、この大切な十枚の皿を、この滝の下で洗っていた。ちょっとしたはずみに、その一枚を落としてしまった。
その夜「おまさ」は、この滝壺へ身を投げて死んだ。それから、この滝の落ちる音が、一枚、二枚、三枚…と数え、ワーと泣き、そしてドブンと入水の音が聞こえてくるようになった。
(付記)
この伝説は「番町皿屋敷」のほかに全国にも多く、佐渡にも真野町、金井町に類話がある。

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