梨の木地蔵さん
(真野町豊田)


豊田から赤泊へ通ずる旧道「梨の木峠」の地蔵堂の境内には数万体という約20aくらいの小さな石地蔵が奉納されている。
この梨の木の地蔵さんは、子供の病気平癒に霊験があり、親たちは、病気が治ると、この石地蔵を奉納するのである。8月24日は縁日で、前夜からおこもりがあり、たくさんの人が参詣したものであった。
むかし、豊田の漁船が、帆をあげて真野湾を馳(は)せていると、急に船がとまって動かない。乗っていた漁師はふしぎに思い、海の中を見ると光りを放っているものがある。
さっそく、海に飛び込んで、ようやくあげてみると、約30aばかりの地蔵であった。
急いで帰宅して、村の人たちと相談して、「梨の木峠」にお堂を建てて、そこへ安置したものである。
はじめ、南の方に向けて安置したが、沖を通る船を止めるというので、西の方を向けたら、そのことがなくなった。西の方を向きたかったのだろうといっている。

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