女狢「おろく」の嫁入り
(新穂村大野)


―「高橋おろく」物語 1―
新穂の山王さん(日吉神社)の前を流れる大野川にかかる橋を「高橋」といっている。
今は県道になっているが、むかしは狭い道で、丸太の1本橋であった。この橋の付近に大きな榎が茂っていて、この根元に小さな祠があった。
ここに、女むじなが棲んでいて「高橋おろく」といっていた。相川町の佐渡貉の大親分二つ岩団三郎の嬶(かか)だといわれ、その子が新穂村潟上の湖鏡庵の財喜坊だという。
この「高橋おろく」が、二つ岩団三郎へ嫁に行く時の行列は、提灯の火が長くつづいたといわれている。

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