鬼の約束状


佐渡に人間が住むようになっても、たびたび鬼が出て来て人たちを苦しめた。
ある時、金北山の神様は、佐渡の人の代わりとなって鬼と談判をした。それには、節分の夜にまく煎豆が芽を出して大きくなるまでは、鬼は出てこないことを約束したものである。煎った豆が再び芽を出すことはないから鬼は二度と出ることが出来なかった。
この鬼の書いた約束状は、今でも金北山の御堂の下に埋めてある。鬼は、この約束状をとり返したいといって御堂を壊すことがあるが、金北山の神様は、いつも守ってくれている。
佐渡の人が、七歳になると、かならず金北山に登るのはこのお礼だといっている。

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