深い坑道では、
200から300艘の水上輪が使われ、
大量の水を排水坑道まで汲み上げ、
掛樋(カケヒ)や排水溝を使って坑外に出した。
水上輪を操作する人を樋引人足(トイビキニンソク)といい、
高賃金が稼げたので、近隣から農家の次三男などが働きにきた。
作業は樋引頭(トイビキカシラ)に監視され、
一昼夜勤務のきつい労働だった。
水上輪は、使用時の勾配を30度前後にするという制限があるため、
使用場所には限りがあった。
それ以外の場所には釣瓶(ツルベ)や手桶(テオケ)を使って湧き水を汲み上げ、
人海戦術で汲み出す手繰水替(テグリミズカエ)に頼るしかなかった。

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