金鉱石が小判になるまで

床屋と製錬



比重選鉱した水筋や汰物を、
炭火による熱と化学反応によって、
鉱物としての金銀から、
純度の高い金属としての金銀に変化させるのが、
製錬である。
当時用いられた灰吹製錬法は次のような工程を踏む。
@水筋を大床、
汰物を須灰床で鉛とともに炭火で加熱熔解して金銀鉛の合金とする。
浮き出した不純物は除く。
これをカラミという。
A鉛との合金を灰吹床に移動し、
熱して熔かす。
空気を吹き込み鉛だけを酸化させて炉壁の灰に吸収させ分離すると、
水筋は金を多量に含む筋金になる。
水筋から得た筋金は純度が高くそのまま焼金にまわされる。
汰物は金を微量含む山吹銀となる。

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