情報 2008年11月25日

イタリアから故郷を想う@

佐渡から遠く離れた地にて故郷を想う手紙が届いたのでご紹介します。

佐渡で育った僕は、ずっと海に囲まれていた。

高校を卒業後、都会に移り住んだが、その後海が近くにある街で再び暮らし始めて、
四年が経とうとしている。けれど佐渡ではない、北イタリアのジェノヴァという街だ。

ジェノヴァはリグーリア州にあるが、ここの海岸沿いは海外からの観光客もたくさん来るほどに人気だ。

穏やかで優しい地中海はいい。でも、海水浴に出かけ、海辺で寝そべっていると、
ときどき佐渡が懐かしくなることがある。佐渡の海はイタリアのとは違う。

もっとごつごつとしていて、無愛想で、ときに荒々しくある。
佐渡は何もなくてつまらないという人も中にはいるが、僕は逆に「何もない」ところが一番の
魅力ではないかと、帰るたびにつくづく思う。特に夜、灯りは少なくて、ただ圧倒的な闇が立ちはだかる。
頭上には無数の星。周囲は底知れぬ静寂。

自然の畏れに触れることができるというのは、ある意味とても貴重だし、
豊かなことであると僕は思う。

なんてことをイタリア人に話すと、みんな興味を持って耳を傾けてくれる。
佐渡の外海府の絵はがきを送ったら、佐渡についてのいろいろな質問を受けたこともある。
今はインターネットでいろいろな情報が得られるが、佐渡なんていう場所まではさすがに
知られてはいないだろう、と思っていたのだけどそうでもないようだ。

佐渡に行った事があるというイタリア人に会ったのだ。
そういえば、佐渡を観光する外国人も以前に比べて多く見かけるようになった。いいことだ。









イタリアから故郷を想うA 柿編

イタリアの友人は佐渡産の柿がよほど好きなのか、秋が深まる頃になると、
いつも柿を送ってくれといってくる。
その友人は何度か、羽茂や小木・赤泊でとれたおけさ柿を食べたことがあるからだ。

色は鮮やかだし、甘味も格別。イタリアで食べられる柿とはまったく別物のようである。
友人に送るときには干し柿かアンポ柿のパック詰めになるのだが、あっという間に
なくなってしまうらしい。

食の大国で育ったイタリア人の舌をもうならすほどの佐渡の柿。
柿に限らず他の佐渡の土産物はどれもおいしいのだけれど、逆にいうと
どれもインパクトに欠けるという気がしないでもない。

覚えやすいネームで、これぞ佐渡のみやげ品と言わしめるようなものを、
誰が作ってくれないかな・・・なんてふと思いました。

ちなみに柿は英語で「KAKI」です。
イタリア語で柿一つは「KACO」、複数形の場合は「KACHI」となります。

佐渡のおいしい柿がもっと世界に広まるといいですね。





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