情報 2009年1月25日 エスライフ 09年2・3月号 |
フォトグラファー 若林浩 佐渡は今、トキ放鳥に一層拍車がかかっていますが、 まだ私達が気づいていない佐渡の表情をきっととらえているに違いないと思い、 フォトグラファーの若林さんにお話をうかがいました。 若林さんは高校卒業と同時に佐渡を離れて以来、 東京でフォトグラファーとして活躍してきました。 その間、佐渡を振り返ることはあまりなかったと言います。 しかし、3年前父親の病気をきっかけに(暫しの)同居を決意し、佐渡へかえってきました。 そこで改めて故郷「佐渡」と向き合うことになったそうです。 http://kasugajinja.com/ 佐渡の特産品(魅力)って何? この問になかなか答えられない人も多いかと思います。 私(若林)も同様ですが、 これからは『薪能』『スタジオパル』『サドラム』って答えようかと思っていますよ。 こんな特産品があってもいいんじゃないですかね~ 佐渡の特産品はトキや食べ物だけでなく、 それぞれが特産品になりうるのだということを若林さんにおしえてもらったように思います。 「自己挑戦がなくなったら面白くない。 でもあまりにも高いハードルではしんどいから、少し無理をするくらいのところが面白い。 楽な方法はいくらでもあるけど、それでは人と同じ。 佐渡は開拓されていない分、いろいろなこと出来る島。安全・システムじゃないところには 多少のリスクがあるが、リスクをおかしてでもやる意味、そしてその勇気のある人がいたら、 佐渡はもっと元気な島になることでしょう。 システムといえば観光もそのひとつ。 佐渡弁まるだし現地まるだしのおもてなし、 日々のあったかい部分をもっとつたえたらいいじゃないか~ 佐渡にはミニスカートをはいたお姉さんはいないけれど、 もっと違ういいものがあるはず。 田舎者であること卑下することなく、佐渡らしさをもっとアピールしたらいいとおもうよ。」 と熱くかたってくれました。 初めて「薪能」を観たのは、2007年10月、旧相川町の春日神社。 それまでは「能」に対してあまり興味も期待もなかったそうです。 たまたま撮影する機会もあり、開演前に撮影準備をしていたころ・・・。 社の後方にはそらを紫色に染めて沈む太陽、そしてパチパチと大 きな音をたてて燃え盛る薪、箱物の舞台ではまず観る事のできない壮大な演出。 改善前にもかかわらず大変心打たれたそうです。 京の能にはない、豊かな自然と島民との生活の中で伝えられる庶民的な「薪能」。 これは全国でも佐渡だけのものだといいます。 「お笑い」のようにすぐに理解できないとこらがあるので、 「能」を楽しむにはある程度の知識が必要かもしれません。 (昨年から春日神社の薪能ではイヤホンガイドサービスを始めました。) 全国の3分の2の能舞台は佐渡に存在するそうです。 そして都市部ではチケットがとれないほど人気の「能」。 「もっと佐渡の「薪能」の魅力を全国に発信し、佐渡へ足を運んでもらえたらいいですね。」 と若林さんはいいます。薪能のシーズン5月までに少し勉強して、今年はぜひ「薪能」鑑賞に 出かけてみてはいかがでしょうか。 ■プロフィール■ 麻布10BANスタジオ入所、セカンドチーフで卒業。 真下写真事務所に師事。その後フリー。 現在は東京のプロダクションにフォトグラファーとして在籍。 撮影: VIVIDO.プラウト.東京モード学園.ディメンション.KAJI.レノマ.きもの結美堂. JCB.シンコーミュージック.オートルック.M's.三笠会館.オルフェ銀座.野口健プロジェクト. いけばな小原流.宮廷料理写真集 他...... ※仕事の依頼・お問い合わせはエスライフまで! http://yamato.smail.co.jp/ ■昨年コロンビアからメジャーデビューした、 相川岩谷口出身のミュージシャン「YAMATO」さんのCD &ポスター。 この時はロケ隊を作り、大佐渡の原生林にテント泊で撮影に行きました。 デザインは中学・高校時代からの同級生のH君(CD)・M君(ポスター)。 かつて、同じ釜の給食を食べた友人とのコラボレーション。完成した時は嬉しかったです。 思い出が一つ増えました。(若林) http://www.studio-pal.net/pal/ ■2005年ジャズダンス世界選手権、日本人では最高位の6位で初入賞。 同年全日本選手権2位 その他多数...... この紙面では書ききれない程の実績と実力で、 NIKE JAPANの舞台にショーモデルとして登場したのは、 スタジオパルの看板ダンサーの若林美津枝さんです。 世界レベルのダンサーですが、スタジオパルのジャズダンス公演での振り付け構成の 殆どが若林美津枝さんだった、と私が知ったのは本番撮影が終わってからでした(笑) ダンスは勿論ですが、それには驚きました。 昨年9月の公演の演目はなんと『トキ、大空へ』であった。 偶然にも!? 公演の12日後に控えた『トキ放鳥式』と重なった演目と振り付け構成に、 感動の場面も多かったですね。 衣装もその演目に合わせたデザインで、羽ばたくトキの羽根のようで美しかったです。 次の公演ではどんな作品を披露してくれるのか、今から楽しみにしています。(若林) http://sadrum.seesaa.net/ ■サドラムは佐渡産の猛宗竹に皮を張って作った竹太鼓で、 オリジナルの曲を演奏する打楽器集団です。 見た事も聴いた事も無い人は、竹太鼓?? と思うでしょう。 私も最初は竹太鼓?? でした。 竹から太鼓って想像もつかないと思うんですが、ちゃんと音も出るし音楽になるんですよ。 そんなサドラムからCDが出たので音楽好きな方には是非聴いてみて欲しいですね〜 新潟の月刊誌等では既に取り上げられてました。 猛宗竹で作った竹太鼓は佐渡ならではの新ジャンルかも知れませんね!(若林) ワンポイントLESSON 若林さんに教えてもらいました! 「ホワイトバランス調整」をするだけで、こんなにちがいます! デジカメは「オート露出」にさえしておけば、 基本的にはいつでも適正な明るさで撮影できますが、 ホワイトバランス調整の(太陽)マークで撮るだけで、 こんなに暖かい色合いの写真に仕上がります。 左写真 自然光でオートで撮ったもの 右写真 自然光で太陽マークで撮ったもの |
文 / 井出啓子 特集TOP エスライフTOP |